こんにちは、iKKAの小林です。
今回は「中庭」についてお話しさせていただきたいと思います。
お家づくりをしていく中で、構造、性能、意匠など大切になってくるポイントはたくさんあります。
お家の仕様や形はもちろん大切ですが、設計の段階で見落とすことができないのが、お家の中に光、風、景色といった外部環境をどのように取り入れられるかです。
・光をたくさん取り入れたお家をつくりたい
・風をお家の中に取り込みたい
・外部空間を室内に取り込んでお部屋を広くみせたい
といったご要望をいただきます。
外部環境をお家の中に取り込もうとすると、同時に大きな問題がでてきます。
それは「プライベート」をどう確保するかです。
光、風、景色を取り込むと同時に外部からの視線や音が入り込んできます。
お家の周りが自然に囲まれている立地であれば何も問題ないのですが、街中に住むとなるとそうはいきません。 そこで有効なのが「中庭」です。
今回お話をさせていただく「中庭」とは、建物や壁で囲われた屋外になる屋根のない空間のことです。
そんな「中庭」を設けるうえで大切なポイントやメリット、デメリットをお伝えさせていただきます。
中庭のメリット、デメリット
中庭のメリット
- プライベート空間の確保
建物や外壁で中庭を囲むことで外部からの視線を遮ることできるので、カーテンの必要が無くなり、中庭の景色をまるごと室内空間に取り込むことができます。
- 非日常感
お家の中で過ごすことが多くなった今、中庭があるとお家の中にいながら外部とつながることができます。
日々の生活の中に、時間の変化、季節の移り変わりを取り込むことが可能です。
中庭まわりで過ごす時間は、非日常感を味わうことができ、贅沢なひとときを過ごすことができます。
天気の良い日には中庭でお茶や食事をすることで気分転換をしたり、友人を呼んでBBQをしたりすることもできます。
- 自然との触れ合い
中庭に緑を植えることで自然を身近に感じることができます。
植樹のご提案としては、一年中、緑を楽しめる常緑樹と、季節を感じることができる落葉樹をセットで植えることをお勧めしています。
落葉樹は春になると新芽が出て、夏になると新緑が青々とし、秋がくると紅葉、落葉します。冬の間は春に備えて新芽の準備をします。
お家の中から見える位置に緑があると、日々の変化を実感することができ、新芽から葉がどのように広がり、花がつぼみからどのように咲くのかを観察しながら楽しめます。
また、空を見上げると日中は太陽や雲が見えます。
日頃、空を見上げることがなかなかないため、ゆったりと眺めることで太陽の動きや雲の流れを感じることができます。夜には星や月の移ろいを楽しむことができます。
- 安全、安心
中庭があるとお子様が思いっきりかけっこをしたり、シャボン玉をしたり、近隣の目を気にせずプールを楽しむこともできます。
子供から目を離しても外に飛び出すことがないため、安心して遊ばせることができます。
中庭のデメリット
- 面積
中庭の大きさを確保するために土地の大きさがポイントとなってきます。
ある程度の土地の面積が必要になってきますが、後述する中庭の配置方法によって工夫することは可能です。
- 費用
外壁は通常4面となりますが、中庭を設けることで内側にも外壁面が現れるため、外壁金額のコスト増に要注意です。
中庭を計画するときの配置ポイント
【中央配置】
中庭をお家の真ん中に配置することで、玄関、リビング、書斎、水廻りなどお家のどこにいても中庭を満喫することができます。
中庭を中央に配置するため、土地の大きさがある程度必要になってきます。
【アプローチ配置】
玄関ドアまでのアプローチ部分に中庭を配置する方法です。
お家の出入りで通る動線上に中庭を配置することで、日々の生活の中で中庭を楽しむことができます。
道路からお家までの距離を確保することができるため、外部からの騒音を防ぐことができ、お家の中からの生活音を外に漏れないようにすることもできます。
【坪庭配置】
中庭の面積を抑えたいときに採用しやすい配置方法です。
玄関やお風呂に面するように配置することで、特別感を演出することができます。
少しの面積で効果的に非日常感を出すことができます。
中庭をつくること
「中庭」は実際の生活には必ず必要なものではありません。
最初はあこがれとして検討項目に入れていただいても、お家の計画が始まると、お部屋を少しでも広くしたいと無くなっていきやすいものです。
しかし、実際に「中庭」をかたちにすることができたお家をみると、中庭を設けることで生まれる空間の豊かさに心を動かされます。
ぜひ、皆さまもお家づくりをするなかで「中庭」のご検討をしてみてください。