fbpx
loading

躯体内結露

内部結露とは別名、躯体内結露とも呼ばれ、木造住宅にとっては、水漏れや雨漏りなどと変らぬ、大敵の一つです。
躯体内結露とは言葉の通り、躯体内つまり、壁の中でおこる結露のことを言います。
あまり聞きなれない言葉の為、住宅業界に携わる者ですら、軽く見がちなのですが、これこそが住宅にとっては深刻な問題であって、今後は必ず問題視されるだろう課題の一つです。
躯体内結露は、雨漏りや、水漏れのように、目に見えるものではなく、壁の中で起きる為、決して見ることはできません。
しかし、窓ガラスが結露によってビショビショに濡れているのを見たことのある方は多いと思います。
この現象は窓だけで、起こっていると思いますか?
結露は温度差のあるところで発生します。
室内の暖かい空気と外の冷たい空気の交わる所。
つまり部屋の暖気と外の冷気が交ざっている所。窓ガラスだけでしょうか?
壁も当然面していますよね。
窓ガラスがビショビショに濡れている現象は壁の中でも日常的に起こり、躯体内結露は家にとって最も要となる、土台、柱、梁などの構造材を簡単に腐らせてしまうのです。

北海道での過ち

北海道ではより冬を快適に過ごす為、メーカーや、フランチャイズなどは、グラスウールなどの綿状断熱材を更なる快適性を求めて50mm→75mm→100mmへと、どんどんと厚くし、厚みを競い合いました。
また150mmの断熱材を機械でプレスし105mmの壁の中に使用した新工法なども現れ脚光を浴びました。
しかし数年がたった後、これらの工法に思わぬ悲劇が襲いました。
それは、土台や柱、屋根下地などの構造材が腐り始めたのです。
調査の結果、これらを腐らせたのは、水道水や雨水ではなく、結露(水蒸気)が原因だったのです。
これらの原因には数点考えられましたが、一つは綿状断熱材が厚くなったことで壁の中の隙間がなくなり、結露した水蒸気が行き場をなくしたこと。 もう一つは気密性。
従来の建物は隙間風の入るような構造であった為、躯体内結露が起こっていても、自然乾燥されてきたと考えられるのですが、これらの建物は、中気密住宅と呼ばれる、ある一定の気密性を誇っていた為、水蒸気の逃げ場がなかったことが原因であったと考えられています。

壁内通気

現在では、通気工法とも呼ばれる、壁の中に空気層を作ることで、屋根裏や壁の中まで通気を行うことができ、逃げ場のなかった水蒸気を屋根から逃がすことにより内部結露を防いでいます。
しかし、断熱材が躯体内にある以上、内部結露を未然に防ぐことはできません。
しかし、これを確実に防げる工法こそが外断熱なのです。