こんにちは、iKKAの小林です。
寒さも和らぎ、春の訪れを感じます。
庭のナツハゼやドウダンツツジといった落葉樹も新しい芽を出しはじめています。
先日、建築士の定期講習会に参加してきました。
建築士法の規定により、建築士事務所に所属するすべての建築士は3年以内ごとに定期講習を受講することが決められています。
木造建築物の整備促進
講習の内容は、建築関係法令の動きや最近の新技術などについてです。
今回、特に興味深かったのが、「木造建築物の整備促進」です。
いま国を挙げて木材を建築業界で活用していこうという大きな流れがあります。
例えば法整備としては、
「3階建て以下の公共建築物は、原則的に、全て木造としなければならない」という方針が定められました。
SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとしても位置付けられています。
街を歩いていると大規模建築物で木材を使ったビルなどが増えてきていることを感じておられる方も多いのではないでしょうか。
講習会に向かう途中で見かけた「新風館」でも多くの木材が使われていました。
建物入口の大開口部に現しの梁架構とすることで、京都の町並みとの調和が図られています。
中大規模での木造建築物
大規模建築物というと鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流でしたが、耐火性能や構造耐力などについての法整備が進み、いまでは中大規模での木造建築物が建築業界全体の大きなテーマとなっています。
その一環として
直交集成板を用いた「CLT建築物」の普及促進が官民一体で行なわれています。
CLT(Cross Laminated Timber)とは
ひき板を並べた後に繊維方向が直交するように積層接着した木質系の材料です。
厚みのある大きな板で、建築の構造材に使うことができます。
CLT工法は「新国立競技場」にも採用されています。
海外では多層の木造建築物が次々と建てられ、オーストリアの首都ウィーンでは24階建ての木造ビルも出現してきています。
木構造の実験が数多く行われており、高倍率の面材耐力壁や高耐力の筋かいの使用が可能となってきています。
木造建築物の可能性を活かして
私たちiKKAの木の家づくりにも活かせることは多く、日本で実績のある在来軸組工法にCLTなどの新しい工法を取り入れていくことで、より安心できるお家づくりをできるのでないかと考えています。
新しい高耐力などの技術を用いることで家の中の壁を少なくし、家族構成の変化に合わせて間取りを自由に変えられるお家づくりができないかを検討しています。
木造建築物の可能性が広がってきており、講習などの機会で得たものをしっかりとお家づくりに活かせるようにしていきたいです。