こんにちは。iKKAの松野です。
みなさまは、木の香りがする場所や、木で作られた建物にいることで、心が癒される経験をしたことはありませんか?
iKKAでは、お家の見学会に来られた方から
「木の香りがよいですね」「なんだか落ち着きますね」
とお声をいただくことがよくあります。
iKKAのお家は室内の柱や床だけでなく、見えない壁の中も木で作られている木造軸組み工法のお家です。
木の家にいると、なぜ心が落ち着いたり癒しを感じるのでしょうか。
今回は、その理由と、木の家の魅力について考えてみたいと思います。
木の家特有の香り
木の家に入るとまず感じるのが、木の香りではないでしょうか。
木を室内に多く使っているログハウスや山のペンションに行ったときなどによく香りますね。
ヒノキやヒバなどから発せられる香りの成分は、フィトンチッドという揮発性の物質です。
これは、植物が自らを守るために放出する成分で、抗菌、殺菌、殺虫作用があります。
このフィトンチッドは医学的に人の心にリラクゼーション効果をもたらす香りであることが分かっています。
人の副交感神経に作用して、「精神の安定」「疲労回復」「ストレスの解消」「血圧・心拍数の低下」などをもたらしてくれます。
「いい香り」と本能的に感じるのには、ちゃんとした理由があるんですね。
木が生み出す1/fゆらぎ
木は、人工物では作れない不規則な模様や形をしています。
この、木の曲線や均一ではない色味などには、「1/fゆらぎ」が存在しています。
1/fゆらぎは、自然界のあらゆるものに存在し、波の音や、炎のゆらぎ、心臓の音にも存在しているもので、その自然の不規則なリズムは人の心を本能的に落ち着かせる効果があるんだそう。
木には1つ1つ異なる年輪や節があり、その自然の不規則なかたちが人に心地良さを与えるといわれています。
また、木の色や模様は、流行に左右されにくく、同じものがふたつと無い「デザイン」でもあります。
お家の外観に温かみや優しさも生まれ、滋賀県のように自然豊かな環境にも木の家はとてもよくなじむのではないでしょうか。
仕事から帰ってきたときに、なんだかほっとできるようなお家っていいですよね。
木育になる木の手触り
iKKAのお家で使用している木材は、浸み込むタイプの防腐・防虫塗料を用いているので、表面に厚い膜を貼る塗料と違い、手で触ると木の素材感を感じる事ができます。
少しざらっとしていたり、デコボコしていたり。
木を手で触ることはリラックス効果をもたらすことが分かっています。
毎日触れる、床や手摺、カウンターテーブルなどを木にすることで、毎日少しづつ癒しを与えてくれるんですね。
また、小さなお子さまが木にふれることで五感が刺激され、好奇心や集中力が高まる「木育」という教育概念があります。
五感の成長過程で木にふれ、木の香りをかぎ、木の自然なかたちを見るということは、五感の発達によい影響をもたらすと考えられているそうです。
少し大きくなったとき、「このお家は、お外に生えている木から作られたんだよ」と教えてあげて、いのちのつながりを感じることもできますね。
柔らかい光の反射
木の表面は人工物に比べて不規則な凹凸を持ち、光をまんべんなく反射するため、優しい光となります。
ビニールの床と、無垢床を比べてみると、無垢床の方が反射光が柔らかいことが良く分かります。
目に入る光がまぶし過ぎないことも、居心地の良さにつながりますね。
お家の中の木の割合
木の家でも、壁が全部木で出来ていたり、梁や天井に木をあしらっていたり、木の量はさまざまです。
どんな雰囲気にしたいか、にもよりますが、家の中で人が目にする木の量の割合でも少し効果は変わってくるようです。
室内に占める木肌が見える面積の割合を「木視率(もくしりつ)」といいます。
一般的に、木視率は30~50%ほどがリラックス効果を生むといわれています。
木視率 約8%
木視率 約44%
どちらのお家が理想に近いでしょうか?
部屋の全面積100%に対して、おおよそ床面20%:壁面60%:天井面20%の割合で作られることが多いので、お家づくりの参考になさってくださいね。
木製の家具やウッドブラインドを用いることでも木視率はあがりますので、好みによって調節してみてくださいね。
構造材としての木材
昔から日本では、木の家が主流の建築材料として選ばれています。
国土交通省の調べでは、日本で建築されている専用住宅(居住を目的とした一戸建て・共同住宅)のうち、8割以上が木造住宅との統計があるほどです。
木は日本の高温多湿な気候風土に合っていて、湿気を吸収・放出して湿度を一定に保つ機能があります。加工もしやすいため、日本では昔から木が主流な建築材料として使われてきました。
また、木には「しなりやすく軽い」という特徴があります。
地震が来た場合、木はその揺れを受け流し住宅に加わる力を吸収して小さくしてくれます。これを、「制震(せいしん)」といいます。
地震大国である日本で、木造の神社などが100年以上建ち続けているのはこのような理由からです。これは、コンクリートや鉄骨にはない特徴です。
それに加え現在では、構造計算をしっかり行うことで、より安心できる地震に強い住まいが作られています。
また、いずれリフォームやリノベーションが必要となったときも、コンクリートや鉄骨に比べて加工のしやすい木でできたお家であれば自由度が高く、施工できる会社も豊富なので安心ですね。
こういった面を総合すると、木の家が選ばれてきたのも納得できますね。
木の家と長く暮らしていくために
わたしたちの暮らしに、癒しや豊かさをもたらしてくれる木の家。
最後に、木の家で長く快適に暮らしていくために大切なことをお話したいと思います。
木が腐らない工法で建てる
1番大切にしたいのは、木が腐らないように建てることです。
お家をつくる建築会社の工法が、木の家の構造を守り、それを維持する「つくり」であるかが大切です。
木は、腐食することで弱くなります。
建築当初はしっかりとした耐震性があったとしても、構造の木が腐ってしまうととてももろくなり、地震に弱い家になってしまいます。
昔に比べて、高気密の家を建てる会社が多くなりました。
気密性が高いということは、湿気や水分が逃げにくく、乾きにくいということでもあるのです。
雨漏れだけでなく、内部結露という壁の中で起こる結露は、気づかないまま構造を腐らせる恐れがあるので注意が必要です。
また、木が腐るということは、カビが発生しやすい環境となり、健康にも影響を及ぼす危険があります。
木の家といっても、その「つくり」=「工法」は会社によって違います。 お家を建てるときには工法をしっかりと聞き、納得して安心できる会社を選んでくださいね。
木の家のメンテナンス
建てた後は、木の経年変化や、メンテナンスの時間も楽しんでいただけると嬉しいなと思っています。
メンテナンスって大変なのでは?と思われる方もいらっしゃいますが、案外そんなこともありませんよ。
木材の防水性が気になってきたり、色あせが気になるなと思ったら、再塗装やワックスがけをしてあげるイメージです。傷が気になるときは、やすりで削ってあげることで馴染ませることができます。ご自身で難しいときは、iKKAにご相談くださいね。
新築当初のきれいさを維持することだけがメンテナンスではないと思いますし、暮らしの中でついたキズや色の変化も、家族の歴史が感じられてとてもいいものだと思います。
木の家は、家族が住まわれて、適度にメンテナンスしてあげることで「育つ」ともいわれます。
家族色に育ち、深みのある色合いになった10年、20年後の木の家は、ほっと安心できる、ご家族らしいお家になっていることと思います。
のんびりと、楽しんで育てていっていただけると嬉しいです。
いかがでしたでしょうか。
たくさんの魅力をもつ木の家。
これから木の家を建てようとお考えの方も、現在木の家で住まわれている方も、暮らしを楽しむヒントになれば幸いです。