こんにちは。iKKAの藤崎です。
先日、OBさまのお家にて、オープンシェルフの追加工事をさせていただきました。
「自分たちの文庫本や雑誌が増えてきたので、収納できる家具が欲しいな。」
そんなお話をいただき、欲しい場所に欲しいサイズで、ぴったりと収まる家具を製作しました。
シンプルな作りで一見簡単そうに見えますが、実はこだわりが沢山詰まっていて、
実際に足を運んで話を聞いていると、大工さんのものづくりへの想いも感じることができました。

棚の高さは、住まい手さまと相談させていただき、お持ちの本の高さで計画しています。
オープンな形なので、飾り棚としてお気に入りの雑貨やお子さまの作品などを飾ることもできますね。
家具工事ってどんな風に進めていくのかな?とお思いの方の参考になると嬉しいです。
工事施工の流れ
工程のご説明

今回の家具工事は半日ほどかけて行いました。
まずは、住まい手のA様に工事の大まかな内容をお伝えさせていただきました。
家具は固定にするのか動かせる方がよいのかなど、A様のこれからの暮らしに合わせた設置方法をお伺いしました。
パーツを作る

まずは、必要な木材のパーツを製材するところから始まります。
背板、底板、側板、一つ一つ図面で確認しながらスムーズに作業を進める大工さん。
地面は木くずなどが落ちても掃除がしやすいように、養生シートを敷いて、作業を行いました。

細かな納まりも、工具を用いて手作業で加工していきます。
細部にもこだわることで、見え方が全く違ってくるので、とても大事な工程です。
背板が上や側面から見えてこないように、くぼみをつくることで、すっきりと納まるつくりになりました。

面取り作業

これは何の工程か皆さまご存知でしょうか?
「かんな」と呼ばれるこちらの工具は、中に刃が入っていて、木の角を落とす「面取り」作業を行っています。

角を少し取ることで、手触りが各段に良くなりました。
見た目が大きく変わらないことでも、実際に暮らす住まい手の気持ちになると、必要な工程ですよね。
こうした小さな工夫の積み重ねがあるからこそ、永く使っていても心地よく感じられるのだと思います。
木ダボの製作

カットした木材はネジで固定をしていくのですが、そのままだとネジが丸見えになってしまいます。
ここでは、そんなネジ穴を隠すための蓋(木ダボ)を製作しています。

ホームセンターなどでも販売されていますが、同じ木材で仕上げた方が、統一感が生まれ
るのだと大工さんがおっしゃっていました。

少しはみ出ている木ダボをのこぎりで削り、さらにやすりがけをすることで、より目立ちにくくネジ穴を隠すことができました。
塗装作業

最後に、木に浸透するクリア塗装をしていきます。
クリア塗装は、ニスやペンキのように表面に膜を張る塗装ではなく、木材の風合いを残しながら、ほどよい艶感を感じられて、さらに木材防腐や防カビ効果もあるのです。
臭いが少なく、取り扱いも簡単な水性の木材保護塗料をおすすめしています。

塗装が終わると、より一層良い雰囲気になりました。
レールの取り付け

最後に、棚受けのレールを取り付けます。
寸法をぴったりと合わせるのは思いのほか難しいそう。
それでも、要領よくテキパキと行う大工さんは凄いなと改めて感じさせられました。
完成!

完成したオープンシェルフはこちらです!
お家の雰囲気に合った、温もりを感じる家具が出来上がりました。
手触りや棚高さなどの「機能性」と、すっきりと納めた「意匠性」。
どちらも大切に考えながら製作することで、
一人一人の住まい手にとって使い勝手良く、10年20年経っても、
ずっと愛着を持って使い続けられるのだと思います。
これからも、住まい手に寄り添ったものづくりをしていきたいです。 A様、撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

〝今回ご協力いただいた「善勝(ぜんしょう)の家」。お庭との繋がりが心地よいお家です。
今回、ダイニングの窓下に棚をつくりました。〟
iKKAでは、お引渡し後もずっと続くお付き合いを大切に、メンテナンス時期のお声がけや、植樹のお手入れのご相談、ご自身でのメンテナンスのお手伝いなどもさせていただいています。
暮らしの変化などで、追加の工事をご検討されている方は、ぜひお気軽にiKKAまでご相談くださいね。
ご覧いただきありがとうございました。