こんにちは。iKKAの藤崎です。
みなさまのお家に「和室」はありますか?
古い日本家屋では「和室」が必ずと言っていいほどあり、それには日本文化が強く根付いています。
和室の側にある板張りの縁側では、庭を眺めたり、太陽の光や風を感じながらお昼寝をしたり、お茶を飲んだり。い草を用いた畳は、夏は涼しく、冬は暖かさを与えてくれるため、日本の気候風土に適しています。
そんな自然の恵みを生かした空間を、日本人は長く大切にしてきました。
室内のような、室外のような縁側。
畳に寝そべったときの何とも言えないほっとする感情。
障子から漏れるおぼろげな明かり。
曖昧さを美徳とする日本人の感性が現れているようです。
最近は、様々な使い方ができる和室の魅力が再認識され、畳スペースとリビングを一緒にまとめたり、リビングの一角に和室を設けたプランが増えています。
今回はそんな「畳のあるリビング」の暮らしについてご紹介します。
Profile
畳のあるリビングの楽しみ方
みなさまはリビングに畳は必要だと思いますか?
「来客時用といっても年に数回ほどだし、わざわざ和室は設けなくていいかな」
そんな声が聞こえてきそうですね。
現在増えているのはLDKに隣接して畳スペースを設け、第二のリビングとしての使い方をする畳スペースです。
子どもだけでなく、大人も自由に、老若男女問わず様々な楽しみ方があります。例えば、座るだけでなくゴロゴロころがる、遊ぶ、仕事をする、ちょっと昼寝をするなど自由度の高さも魅力の一つです。
フローリングだとソファ中心の生活となりますが、畳のスペースがあるだけで暮らしの幅が広がりそうですね。
ソファのある畳リビング
リビングと畳スペースを一緒にする場合、迷うのはソファを置くかどうかという点です。
畳なので、ソファを置かなくても全く問題ありませんが「くつろぐ」にも選択肢がある方が楽しそうです。
同時に、家族や友達が集まるリビングは、自然と人が集まるように、居心地の良い場所をいくつか計画しておくといいですね。
iKKAでは、畳リビングにオリジナルソファを創ったり、近くにカウンターを設けたりと、居心地の良い居場所が増えるようご提案しています。
畳リビングとする際の設計ポイント
畳リビングにするということは、床での生活が増えるということなので、視線の先や座った時の居心地の良さを確認する必要があります。例えば、ソファを置く場合、床で生活しても圧迫感を感じないように、できるだけ高さを抑えたものを選ぶのがポイントです。同時に、床の高さを少し上げるというのも効果的です。
床を上げることで、ゆるやかに空間の仕切りができるのと、ダイニングテーブルに座っている人との目線の高さの違いが少なくなり、より自然な空間に仕上がります。
段差が生まれると、ベンチのように腰かけたりと暮らしに幅が生まれます。
ライフスタイルに合わせた畳の種類
畳には自然素材と人工素材のものがあります。それぞれの特徴をお話していきます。
自然素材のイ草畳は「天然の空気清浄機」と言われています。イ草は、スポンジのように小さな穴で構成された多孔質構造のため、空気中の二酸化炭素や窒素酸化物、ホルムアルデヒドなどの人体に有害な化学物質を吸着し、空気を清浄にする効果があります。
また、調湿作用があるため、夏は涼しく、冬は暖かいのが特徴です。
肌ざわりや香りによる鎮静効果も期待できるので、おすすめできます。
しかし、水や汚れが付いた場合、シミになる可能性があるので注意が必要です。
一方、人工素材で作られた化学畳は、和紙を素材にしたものと樹脂系のものがあります。淡いピンクカラーやアースカラーなどデザイン性に富んだものが豊富な点が特徴的で、水に強く、日焼けによる変色が少ないです。
iKKAでは、住まい手のライフスタイルに合わせて畳の種類をご提案させていただいています。
実例紹介① 造作ソファのある畳リビング
すっきりと収まるのは造作ソファならでは。側にはカップなどが置けるサイドテーブルを設けました。
リビングの天井のみヘムの板張りとし、寝転んだ時に自然素材がもたらす温かみを感じられる空間です。
実例紹介② 仕切れる小上がり畳
畳スペースを設ける場合、どの場所に作るかというのも居心地に関わってきます。
人が頻繁に行き来する場所だと、少し落ち着かない空間になってしまいます。
そのため、人があまり行き来しない奥まった場所に配置するか、仕切り戸があると使いやすいです。
奥に小上がり畳スペースがあると、リビングに奥行き感が感じられます。
縁側とつながる畳スペースは、庭を眺めながらくつろげる空間です。
窓を開けて、小上がり部分に腰掛けるのも気持ちよさそうですね。
実例紹介③ オープンな畳コーナー
畳コーナーには戸を設けず、オープンな空間に仕上げています。
木の幕板が柔らかく空間を仕切ってくれます。
子どもが遊んだり、洗濯物を畳んだり、お昼寝をしたり。
オープンだからこそ、様々な日常シーンで活躍します。角がないのも使いやすいポイントですね。
実例紹介④ 心を整えるための畳間
階段横に設けた小上がりの畳スペース。人の気配を感じながらも、ちょっと籠もれる空間です。
ゆっくりと迎える休日の朝。片手にコーヒーを持ちながらぼーっとする。忙しない毎日でも気持ちをリセットできる場所をつくるのは大切です。
個々の暮らしに合わせた畳スペースとは?
リビングに畳を設けるのは少し勇気が必要ですよね。〝憧れはあるけれど、本当に使うのかな…〟などの不安もあると思います。そこで、最後に個々の暮らしに合わせた畳スペースの提案についてまとめてみましたので、是非参考にしてみてください。
まず、考える上で「お家にどれだけ畳が身近であってほしいか」がポイントになります。
畳中心での生活を望む方であれば、実例紹介①でお見せしたような畳リビングがおすすめです。この場合、床での生活に落ち着きを感じられる方やご家族が多い方に向いています。
一方で、たまに畳スペースでお子様が宿題をしたり、本を読んだりする生活を望む方であれば、リビングに隣接させた畳スペースを設けてあげるのがおすすめです。実例紹介③・④などを参考にしてみてください。
来客時用に布団を敷く場所としてなどの使い方を望む方であれば、実例紹介②のように戸をつけてあげるといいですね。
このように、それぞれのライフスタイルによって畳の使い方は様々になりますので、一度みなさまも、畳があったらどんな暮らしになるのかとワクワクしながら、想像してみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は「畳のあるリビングの暮らし」について考えてみました。
お手入れも必要な畳ですが、それを上回る心地よさやリラックス感を感じることができます。
そして何より、日本の文化を身近に感じられるのは素敵なことです。
今回の内容を参考に、あなたらしく暮らせる畳スペースを一緒に楽しみましょう!