こんにちは。iKKAの藤崎です。
先日、造園家である荻野寿也さんの荻野寿也景観設計による植樹工事が行われました。
元々、荻野寿也さんのファンだったという住まい手のTさま。
夢のようです、とドキドキワクワクの面持ちで、本当に楽しみにされていました。
ご家族も一緒に作庭に参加できるというワークショップがあり、今回はその様子をお届けしたいと思います。

今回植栽のワークショップを行うのは、リビング側のお庭です。
足元のグランドカバーとなる下草や、奥さまが厳選した沢山のお花を植えていきます。

土を掘り、ポットから花を取り出し、土に植える。
お子さまでも簡単にできるので、娘さんも一生懸命お手伝いしてくれていました。
「この子はここに植えてあげるね」
土に触れ、花の見え方を考えて、みんなで一緒に創り上げていく。
お庭も新しい家族の一員として迎えるように、想いを込めながら…

“花の向きは、眺める方向が正面になるように植えていきます。なるべく平行に並ばないように、ジグザグをイメージ。そうすることで、大きくなっても重ならず、上手に地面を覆うように生えてくれるのだそう”

実はこの場所、琵琶湖までの景色が抜けていて、とても気持ちがいいんです。
広がる空のもと、珍しい鳥の声に耳を傾けたり、和気あいあいと作業を進めていきます。

下向きに咲くクリスマスローズを見て、「オチコミ(落ち込み)」と名前を付けた娘さん。
お庭があると、色んな発見や気付きが生まれてくれますね。子どもの豊かな発想には驚かされます。

“下向きに咲くことで花粉を雨や雪から守っているんだそう。また、受粉を助けるミツバチやマルハナバチなどは、下向きで咲く花を好むといわれ、それらの虫にたくさん受粉してもらうために下向きに咲く花に進化したようです”

次は、苔を植木の根元に植栽していきます。
荻野寿也さんは著書で〝グランドカバーをつくり込むことで、庭に「熟成感」をもたせるようにしている〟そうです。
苔が自然に広がるまで何十年と待つのは大変なので、苔を植栽し、自然の姿を再現していくことで、年月を経たお庭のような雰囲気がでます。
植木の根元辺りにポンポンと軽く押す感じで、お子さまでも簡単にできていました。
仕上がると、周りの植栽とも馴染み、ぐんと雰囲気が良くなりました。

さらに、庭に小鳥を招きたいという想いがあり、石のバードバスを置きました。
バードバスとは、鳥たちの水飲み場であり、水遊び場ともなるものです。
石の凹凸に合わせてたまる水の深さが異なり、色々な種類の鳥がくるものなんだとか。
「野鳥の図鑑とバードウォッチング用の双眼鏡も買って、準備万端です!」と、とても楽しみにされていました。

お庭が完成しました!
「もうすでに愛着が湧いてきています」と嬉しそうなご主人さま。
10年、20年後にこの時の写真を見ながら「こんなに小さかったね」「木もまだ小さいね」と振り返るときがまた楽しみですね。
お子さまの成長と共に、このお庭で沢山の想い出をつくっていってくださいね。
ありがとうございました。

“ワークショップの他にも、お家の周りには豊かに木々を植えました。お家と一体感があり素敵な仕上がりに”

“アプローチ周りにも季節のお花や庭木を植えています。帰ってくるたび緑に癒されます”